
|
- ものすごい簡単!「まちづくりと売上」の関係
- 商業地の再生の悩みで一番良く聞くのが、
「まちづくりを頑張っても、売上に関係ない」と言われるのを、どう意識改革するか?
という話である。
商業地である以上、リーダーは商業者であるケースが多いので、真剣な悩みだろう。
これに対して、頼りない専門家は、「まちが良くなれば、通行人も増え、売上もあがる(かも)」
などと、観念的な話をするので、説得力がない・・・。
しかし、実はこの関係、すっごく簡単に整理できる「魔法の公式」が、これである。
店の売上を考えるとき、
「景気が悪くて、財布の紐が堅い」「高齢化と将来不安で、お金を使わない」
といった、1人あたりの売上単価に関する話は、よく商業者と話すと話題になる。
しかし一方で、「お店のお客数」は、照れやプライドもあるのだろうが、話題に上らない。
いや、むしろ忘れかけていることや、諦めている感じさえある。
実のところ、「お店のお客数」は、業種業態に関わらず、常に「減る」運命にある。
例えば、お得意様なら、先方の死去・引越・廃業etc.などの自然な減少があり、
一般顧客なら、他店へ奪われるとか、よりよい商品・サービスが他に出るなど、流出的な減少がある。
これらの減少理由は、「景気」や「高齢社会」とは、あんまり関係なく起こることだ。
もちろん、放っておいても、新しいお客が次々に現れる立地条件なら、関係ないかもしれないが、
「まちづくり」の必要な商業地の多くは、凋落傾向にあるのが事実。
そこそこの観光地でも、「一見さん」だけで、賄えればよいが、
普通は、新規の顧客獲得について、かつてのように容易ではないのが事実だろう。
そこで、「まちづくり」の登場である。
一番最初に思いつくのが、
「イベントなどの集客企画を行い、おこぼれをもらう」というのがある。
だがこれは、「一過性」だと言われる。
そこで、様々なまちづくりの取り組みを行うことで、対応しようとするのだが、
ひとつ押さえておく視点がある。
それは、「どんなお客を集めたいのか」を、イメージできているのか?ということだ。
この「集めたいお客」が、イコールまちとお店の「顧客予備軍」と考えることができるなら、
話は早い、ということになる。
そうすると、「集めたいお客」は、
①数を集める、という方法と、②かなり層を絞って集める、という方法がある。
どちらの方法でもよいが、
「顧客化~ファン化」する=末永いお付き合いのお客を得る、というのが、ベースにある考え方だ。
②の手法は、事業規模や参加者数とは関係ない、小規模の企画にも用いることができる。
お店とまちのファンづくり。
お店とまちづくりの活動・事業の両方で、一緒に顧客予備軍を集めませんか?というのが、
商人たちへのメッセージなのである。
「顧客化」や「ファン化」というのは、多少説明がいるので、また機会を見て、解説したいが、
商人として誇りあるお仕事をしている人なら、すぐになんとなく理解できる話である。
少なくとも、4~5回話しても、これがわからない人なら、
きっと一緒にやるのは難しい方なので、諦めたほうがいい。
「通行人の一見さん勝負」のチェーン店タイプや資産運用だけの商売など、
「お商売のスタンスが違う」というのも、まぁ仕方ない。
ただ、「だったら、まちづくりは、『うちの店』の売上増には、どう手伝ってくれるのか?」などと言う、他力本願も甚だしい輩がいるとすれば、その人は「商人」として、全くなっとらん!
「なんでも反対」の勢力にならないよう、上手に仲良くだけ、付き合っておきましょう。
|